- 食道癌
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食道癌は食道の粘膜から発生する上皮性悪性腫瘍です。日本では扁平上皮癌が95%を占めます。喫煙と飲酒が発癌と強く関連します。症状は癌が進行すると嚥下困難、嚥下痛などが見られますが、近年は無症状で偶然に内視鏡検査で発見される患者さんが増えてきています。診断確定には内視鏡検査が必要です。治療法は内視鏡治療、手術的治療、放射線、化学療法です。当科では各種画像検査による病期診断のもと、消化器外科や治療放射線科との協議のもと適切な治療方法を選択しています。特に早期食道癌(粘膜癌)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)および手術が困難な進行食道癌に対する放射線化学療法を積極的に施行しております。
- 胃癌
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胃癌は胃の粘膜から発生する上皮性悪性腫瘍です。胃癌のリスク要因としてはヘリコバクター・ピロリ菌感染による萎縮性胃炎の関与が示唆されています。症状は早期癌の段階では無症状で、癌が進行すると上腹部痛、食欲不振、体重減少等認めます。診断には内視鏡検査(病理診断のため必須)または上部消化管造影で行います。治療法は内視鏡治療、手術的治療、化学療法です。当科では各種画像検査による病期診断のもと、消化器外科との協議のもと適切な治療方法を選択しています。特に早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)および手術が困難な進行胃癌に対する化学療法を積極的に施行しております。
※当科での胃腫瘍(胃癌、胃腺腫)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の治療成績
心合併症:0.5%(狭心症2例 不整脈発作2例 心筋梗塞1例)
●症例数
2005年3月~2014年12月 769例956病変 (胃癌773病変 胃腺腫183病変)
●成績
一括切除:96.7%
治癒切除率(内視鏡で治療が終了):87.2%
●合併症
出血:6.1%(輸血が必要4例)
穿孔:2.9%(後穿孔1例→手術1例)
狭窄:0.5%
肺炎:0.8%
- 大腸癌
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大腸癌は大腸(盲腸、結腸、直腸)の粘膜から発生する上皮性悪性腫瘍です。大腸癌は日本では女性のがんの死亡率の1位、男性では3位を占めます。症状は早期の段階では無症状で、癌が進行すると便通異常、腹痛、腹部膨満感などがあり、血便を伴うこともあります。診断には内視鏡検査(病理診断のため必須)または下部消化管造影で行います。治療法は内視鏡治療、手術的治療、化学療法です。当科では各種画像検査による病期診断のもと、消化器外科との協議のもと適切な治療方法を選択しています。特に早期大腸に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)および手術が困難な進行大腸癌に対する化学療法を積極的に施行しております。
- 消化管間質性腫瘍(GIST)
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GISTは胃や小腸(時に大腸、食道)など、消化管の壁にできる転移を起こす悪性腫瘍の一種です。粘膜から発生する胃がんや大腸がんとは異なる性質を示し、粘膜の下に腫瘤状の病変を形成し粘膜下腫瘍様の形態をとります。発生部位は胃が60-70%と最も多く、次に小腸です。症状は多くは無症状で、進行すると出血したりします。診断は内視鏡検査、超音波内視鏡検査または上部消化管造影で行います。病理診断には粘膜切開生検や超音波内視鏡下針生検が必要です。治療法は手術的治療が基本で、手術困難な際には化学療法を施行します。当科では各種画像検査による病期診断のもと、消化器外科との協議のもと適切な治療方法を選択しています。特に病理診断のため超音波内視鏡下針生検および化学療法を積極的に施行しております。
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