大学院を目指す方へ
大学院は当教室における研究活動の拠点であり、高度の手技を用いるクオリテイーの高い仕事を集中的に完成させるために、多いに活用していただきたいと思います。当教室では消化器病態・代謝機能制御医学を担当しています。講師、助手、博士研究員、研究生はそれぞれテーマを選び、研究を続けていますので、関連するテーマの人たちと共同研究をしてもらうことになります。従って、多くの先輩からアドバイス、指導を受けることができます。原則的には得られた成績を自ら学会において発表し、ファーストオーサーとして論文執筆をしていただきます。
大学院というと無給で授業料を支払うイメージが強いかと思いますが、当科の大学院は社会人大学院制度を利用しています。即ち、大学院生ですが大学のスタッフとして採用し、大学所定の給与に加え関連施設での週1〜2回程度の出張による有給の大学院生となります。現在当科には20名以上の大学院生が在籍していますが多くは既婚者であり週末は家族と過ごすなどライフワークバランスを保ちながら研究を行っています。また、各自に応じた適切な指導のもとほとんどの場合4年間で学位を取得しています。学位取得後、希望者は継続して研究を行うため米国NIHなどへ有給で留学をしています。
大学院には卒後臨床を終えた後、どの時点でも入学できますが、臨床医との両立を目指す場合はある程度の臨床経験がある方が生活面も安定し、研究もスムーズに進むかと思います。しかし、いろいろな事情に対応しますので、気軽に相談してください。現在在籍中の大学院生は3名以内の入院患者を受け持ち、外来、検査業務も若干こなしていますが、それぞれの事情や研究の進捗状況に応じて、仕事の配分は流動的に配慮しています。論文をまとめる時期には臨床業務をフリーにして論文作成に集中できるような配慮も行っています。また、他領域、他施設との共同研究も積極的に行っています。まだまだ定員には余裕がありますので、「Nature」、「Science」などへの究極の投稿を目標にして、若い時期に多いに研究に挑戦されることを心から希望しております。
- 肝硬変の病態と治療(腹水、 食道・胃静脈瘤、 肝腎症候群)
- エンドトキシン、 血液凝固と臓器障害
- 慢性肝炎の診断と治療
- 肝癌の病態と治療(血管新生、 薬物耐性)
- 肝線維化の病態
- 胆汁うっ滞性疾患における肝内輸送蛋白
- 胃・十二指腸粘膜病変の病態
- 食行動異常症の病態と治療
- 生活習慣、 消化管機能と肝障害
- 肝再生
- 大腸癌の遺伝子学的解析
教授 吉治 仁志
最近の卒業生とその学位論文題名
- 佐藤 慎哉
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Sulforaphane Inhibits Liver Cancer Cell Growth and Angiogenesis. Archives in Cancer Research.
Arch Can Res 6:23.2018.
- 才川 宗一郎
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Angiotensin receptor blockade attenuates cholangiocarcinoma cell growth by inhibiting the oncogenic activity of Yes-associated protein.
Cancer Lett. 434:120-129.2018.
- 下里 直隆
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Combined effect of a farnesoid X receptor agonist and dipeptidyl peptidase-4 inhibitor on hepatic fibrosis.
Hepatol Res. 49:1147-1161. 2019.
- 中西 啓祐
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Combined effect of a farnesoid X receptor agonist and dipeptidyl peptidase-4 inhibitor on hepatic fibrosis.
Int J Mol Sci. 20(11). pii: E2724. 2019.
- 久保 卓也
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Combination of L-Carnitine and Angiotensin-II type 1 Receptor Blocker has Beneficial Effects on Hepatic Fibrosis in a Non-Alcoholic Steatohepatitis Rat Model.
Biomed J Sci & Tech Res. 23(5). 2019.